イントロダクション
Paradox銀河の宇宙軍造船部門には、コルベット、駆逐艦、巡洋艦及び戦艦の、それぞれユニークな4艦種の汎用艦艇と、それらを更に多彩にする艦船設計システムが用意されている。しかしながら、多くのプレイヤーは、とりあえず雑に使っても強いXLL戦艦*2統一編成で全てを解決してしまうのが常ではなかろうか。私もそんな大艦巨砲主義者の一人で、タキオンランスの一斉射撃が敵国の国内総生産数年分を一方的に蒸発させていくのを見ると、脳筋戦艦砲列戦術が一番合理的な気さえしてくる……が、本当にそれが最適解なのか具体的な形で検証している情報は少ない。そこで本ページでは、4艦種と武装が一通り出揃うゲーム終盤の環境に軸足を置いて艦種間・設計間の相性関係を調べ、いわゆる"メタ"を把握することを目標として分析を行う。
検証手順
- 自帝国のみが存在する検証用のセーブデータを作成、"research_all_technologies"などの各種コンソールコマンドを用いて状況を整える。
- 後述する12の艦艇設計一つにつき一つずつ、合計サイズ240の設計統一艦隊を"add_ship"で作成する。
- 2つの艦隊を選抜し、パルサー・ブラックホールなどの影響がなく、自帝国の領土にもなっていない中立の星系で、お互いの射程外から相互に接近し合うように命令したところでセーブ。
- コマンド"attackallfleets"を使い、どちらかが全滅するまで交戦*3させてから損害を集計する。
- 3のデータをロードして再度4を実行する。これを10回繰り返して合計の損害を算出、損害比率を求める。ただし、損害比率は「敵艦隊の損失艦の艦隊許容量の合計÷自艦隊の損失艦の艦隊許容量の合計」*4で定義されるものとする。10回ぶんの損害を合計してから損害比率を算出しており、各戦闘の損害比率の平均を求めている訳では無いことに注意。
- 全ての組み合わせについての集計が完了するまで、3~5の手順を総当たり形式で繰り返す。
検証条件について
一般的なゲーム終盤の環境を想定し、全ての検証は以下の補正が掛かった状態で行っている。
- 狂信的な軍国主義(志向)
- 無撤退(政策-戦争ドクトリン)*5
- 燃料としてのエキゾチックガス(布告)
- エキゾチックガスによるシールド強化(布告)
- 揮発性粉末の弾薬化(布告)
- 揮発性粉末の爆薬化(布告)
- 揮発性粉末の反応装甲化(布告)
- クリスタル・センサー(布告)
- クリスタル・フォーカス(布告)
- 圧倒的な力(伝統-覇道)
- その他、テクノロジーによる補正*6
艦船のランク*7は全て「一般」、初期状態である。
伝統・アセンションパークは上述の「圧倒的な力」と覇道ツリー完成ボーナスの戦争ドクトリン以外は艦隊戦闘に影響を及ぼさないものを選択している。*8統治者の特性が検証に影響を及ぼすものでない*9ことも確認している。
テクノロジーに関しては、"research_all_technologies"で全ての研究を完了させ、かつ繰り返し研究は一度も行っていない状態である。*10ただし、検証上の便宜のために艦隊指揮上限を拡張する繰り返し研究「提督支援要員」をIVまで取得している。特殊なイベントやデブリが必要なコンポーネント*11は使用しない。提督は用いない。必然的に、種族特性による影響も存在しない。
MODは戦闘に影響を及ぼさない範囲で必要なものを導入した。*12DLCはNemesisまでのもの全てを導入した状態で、バージョンは3.1.2。
艦船設計について
使用可能なコンポーネントについては上記の通り。実体弾系・エネルギー系武装の間にあるターゲッティングやダメージボーナスの非対称性*13が結果に影響を及ぼさないように、砲撃系の設計については必要に応じて実体弾特化・エネルギー特化の設計を別個用意し、それぞれが同数になるように混成艦隊を組織させる。*14耐久については、なるべくシールド・装甲が均等になるように、シールド・装甲のみを用いて設計する。コンピューターなどのその他のコンポーネントについては適当なものを筆者が独断で選択する。Aスロットのコンポーネントはコストパフォーマンスよりも個々の艦艇の戦闘力を最大化することを重視し、適当なものを積めるだけ積む。
艦船設計詳細
コルベット
CはCorvetteのC。終盤ともなると突撃CPUとアフターバーナーの補正が無くても回避は上限の90%に達するのだが、前者は武装の有効射程内に敵艦を捉えるためにほぼ必須であること、後者は少しでも早く敵艦を射程内に収めたい戦術的動機、亜光速移動速度の優位を更に確固たるものにしたい戦略的動機からよく搭載するので、した。枠数と出力の都合でコルベットだけ装甲とシールドが1:1では無くなってしまっているが、大きな影響はない……はず。
Ci級
近接コルベ。iはinterceptorのi。前述した通り、武装枠が奇数で実弾:光学の武装を1:1で配置できない設計については、実弾特化の設計と工学特化の設計を2種類用意し、それを1:1で配備することでバランスを取る。Ci級の場合は、実際の検証ではCi1級120隻とCi2級120隻の計240隻で混成艦隊を組織させた。
Cm級
ミサイルコルベ。mはmissileのm。ミサイルにシールド貫通能力があるので、S枠にはシナジーがあるディスラプターを装備。なお、本検証では単純化のためにミサイルは核ミサイル系のマローダーミサイルで統一し、宙間魚雷系とスウォームミサイル系は用いない。
Cp級
対空コルベ。pはpicketのp。装甲・シールドに対するダメージボーナスは変わらないが、こちらもCi級のときと同様に対空砲系とセンチネル対空砲系を1:1で混成させる。高追尾・低火力の対空砲系は艦載機の、低追尾・高火力のセンチネル対空砲系はミサイルの迎撃が得意と性能に偏りがあるため。
駆逐艦
DはDestroyerのD。命中率と回避性能の両立を考え、全設計で前哨CPUを採用した。前哨CPUで追尾が稼げるのでコンポーネントは速度・回避を優先し、アフターバーナーを選択。
Da級
砲駆。aはartilleryのa。Lスロットには通常のレーザー・マスドライバー系ではなく、Lスロット専用の陽子投射器・実体弾砲系を採用。連射速度と命中・追尾は若干劣るが、DPS*15と一発の威力*16、射程ではかなり勝っているため。特に射程の差が大きい。
Dg級
近接駆逐。gはgunshipのg。高追尾武装と前哨CPUの合わせ技でコルベット絶対殺す艦と化している。本検証ではSスロ専用のオートキャノン系は採用していないが、これはエネルギー系武装に適当なカウンターパートが存在しないためである。
Dp級
対空駆逐。pはpicketのp。なぜか武器スロットが一つ少ない。*17艦隊許容量あたりの対空砲数はCp級よりも多いが、まともな対艦火力がCp級と同じS2枠しかないのが辛い。
巡洋艦
CruiserのCがコルベットに取られているので、Heavy cruiserのHということで御容赦をば。CPUはそれぞれの射程に合わせて適当なものを選んでいる。多様なCPUを搭載できるのは巡洋艦の長所の一つだ。
Ha級
砲巡。aはartilleryのa。思い返してみると、本級はLスロもMスロも偶数なので別に設計を分ける必要は無かった。バランスを重視して戦列CPUを搭載。
Hm級
ミサイル巡洋艦。mはmissileのm。武装の射程を考え*18、最大限敵に接近できる前哨CPUを選択。副砲にディスラプターを選んだのはCm級と同じ理由による。副次的な効果とはいえ、S枠武装と前哨CPUの足し算で追尾が爆増しており、これは対コルベット性能に大きな影響をもたらした。
Hb級
ブロードサイド巡洋艦。bはbroadsideのb。こちらもバランスのいい戦列CPU。
戦艦
BはもちろんBattleshipのBである。CPUは各艦の射程に合わせて適当なものを選んだ。
Bs級
XLL戦艦。sはspinal mountのs。射程150のXL武装に加えて射程を延長する砲撃CPUを搭載しているので実質的な射程は180程度になる。
Bb級
ブロードサイド戦艦。bはbroadsideのb。S武装を活かすために一番接近できる戦列CPUを選んだのだが、戦列CPUの目標距離(50)とSレーザーの射程(40)がギリギリ噛み合わないので向こうから近づいてくれないと最大火力を発揮できなかったりする。*19戦艦には突撃・前哨CPUを積めない以上仕方が無いのだが。
Bc級
航空戦艦。cはcarrierのc。本検証で唯一のHスロット持ち。*20ミサイルと同じく艦載機にはシールド貫通能力があるので、シナジーがあるディスラプター系を中心に武装を組んでいる。対空砲・副砲も含めた全砲門の火力を最大限発揮できるのは敵艦が距離30より近くにいるときだけだが、艦載機は早期に発艦させなければ強みを活かせないので会敵距離が伸びる空母CPUを選択。ただ検証してみると艦載機よりもアーク投射器の方がずっとダメージを出していたので、そちらを重視して砲撃・戦列CPUを搭載するのも一つの手かもしれない。
備考
分散とか有意性とかそのへんについてはもうめんどくさいので妥協する。妥協しろ。
検証結果
ステータス
戦闘とは直接関係のないデータ類。
艦級 | 艦隊戦力*21 | 建造コスト(合金) | 戦力/コスト | 総耐久*22 | 総攻撃力 |
---|---|---|---|---|---|
Ci | 115051 | 53136 | 2.1652 | 176400 | 4565 |
Cm | 119402 | 53136 | 2.2471 | 176400 | 4562 |
Cp | 111937 | 51192 | 2.1866 | 176400 | 4663 |
Da | 80617 | 49032 | 1.6442 | 200400 | 7242 |
Dg | 61736 | 46224 | 1.3356 | 200400 | 5009 |
Dp | 49446 | 40932 | 1.2080 | 200400 | 4031 |
Ha | 83832 | 50112 | 1.6729 | 283200 | 7192 |
Hm | 58953 | 47304 | 1.2463 | 283200 | 3590 |
Hb | 69990 | 47304 | 1.4796 | 283200 | 5763 |
Bs | 112420 | 46143 | 2.4363 | 246600 | 9771 |
Bb | 84001 | 44010 | 1.9087 | 246600 | 6841 |
Bc | 100099 | 42840 | 2.3366 | 246600 | 6533 |
建造コストはおおむね40K~50K程度で収まっているのに対して、艦隊戦力の差が甚だしい。建造コストあたりの艦隊戦力で見てもDp級とBs級では2倍以上の差がある。艦隊戦力はあまり当てになる指標ではなく、艦隊サイズが同程度なら相性次第で簡単に覆る差ではあるが、艦隊戦力からの外交発言力と国力比較*23は現有の艦隊戦力の総和のみを機械的に参照して計算されているので、外交活動・抑止力確保のために軍拡をするなら合金あたりの艦隊戦力が大きいコルベットと戦艦を中心に建艦を進めて行くべきだと言える。
耐久面では、巡洋艦の耐久の高さとコルベットのそれなりの耐久が目立つ。射程が短く、個々の耐久が低いので寡勢相手でも損害を出しやすいコルベットではあるが、高回避ゆえにXL・L枠の兵装は有効打にならず、高追尾武装は往々にしてDPSが低いので、状況次第では実質的な耐久が一番高くなる可能性さえある。
火力においてはBs級が卓抜している。
戦闘結果
各マスの数字は列の艦級に対する行の艦級の損害比率を表示している。例えばCm級に対するCi級の損害比率は1.24で、Ci級の損失1隻あたり1.24隻のCm級が撃沈されたことを示している。つまり、Ci級が若干有利。
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ci | - | 1.24 | 1.33 | 1.26 | 0.849 | 2.4 | 1.23 | 0.515 | 0.568 | 2.62 | 1.39 | 1.75 | Ci |
Cm | 0.81 | - | 0.361 | 1.51 | 1.33 | 0.541 | 1.83 | 1.3 | 1.35 | 3.73 | 2.12 | 0.257 | Cm |
Cp | 0.752 | 2.77 | - | 0.818 | 0.659 | 2.07 | 0.778 | 1.17 | 0.463 | 2.31 | 0.916 | 1.6 | Cp |
Da | 0.793 | 0.664 | 1.22 | - | 2.37 | 4.8 | 0.743 | 1.68 | 1.03 | 0.721 | 1.17 | 2.38 | Da |
Dg | 1.18 | 0.752 | 1.52 | 0.422 | - | 2.48 | 0.292 | 0.429 | 0.342 | 0.203 | 0.32 | 0.49 | Dg |
Dp | 0.416 | 1.85 | 0.484 | 0.208 | 0.403 | - | 0.107 | 0.403 | 0.128 | 0.03 | 0.103 | 0.187 | Dp |
Ha | 0.816 | 0.547 | 1.29 | 1.35 | 3.43 | 9.38 | - | 3.35 | 2.17 | 0.533 | 1.87 | 2.37 | Ha |
Hm | 1.94 | 0.77 | 0.853 | 0.596 | 2.33 | 2.48 | 0.298 | - | 0.522 | 0.133 | 0.407 | 0.0867 | Hm |
Hb | 1.756 | 0.74 | 2.16 | 0.975 | 2.93 | 7.79 | 0.462 | 1.92 | - | 0.233 | 0.663 | 0.61 | Hb |
Bs | 0.382 | 0.268 | 0.433 | 1.39 | 4.92 | 33.3 | 1.88 | 7.5 | 4.29 | - | 6.67 | 4.11 | Bs |
Bb | 0.72 | 0.473 | 1.09 | 0.856 | 3.125 | 9.68 | 0.535 | 2.46 | 1.51 | 0.15 | - | 0.663 | Bb |
Bc | 0.573 | 3.9 | 0.623 | 0.42 | 2.04 | 5.36 | 0.422 | 11.4 | 1.64 | 0.243 | 1.51 | - | Bc |
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc |
考察
各艦級評価
矢印の色は損害比率を表しており、白が同等(≈1)、緑が有利(>1)、赤が不利(<1)。色が濃いほど有利不利の程度が甚だしい。
コルベット
Gスロまでしか運用できない低火力だが、(実質的に)高耐久のタンク枠。数と回避によって耐久する都合上、コルベットが絡む戦闘は時間がかかりやすく、一戦ごとの損害の分散も低回避の大型艦同士の撃ち合いより大きい傾向が有った。
戦術的な勝敗の結果のみに焦点を置いている本稿でほとんど触れていないが、他のどの艦種よりも亜光速移動速度が速いコルベットには、艦隊決戦の強要/回避がしやすく、戦略的な主導権を握りやすいという特長がある。単純に艦艇の数が多いのでプレイヤーの管理許容量をめちゃくちゃ食うという致命的な欠点もある 特に補充周辺 パラドはまず自動補充バグなんとかしろ
Ci級
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ci | - | 1.24 | 1.33 | 1.26 | 0.849 | 2.4 | 1.23 | 0.515 | 0.568 | 2.62 | 1.39 | 1.75 |
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Cm | 0.81 | - | 0.361 | 1.51 | 1.33 | 0.541 | 1.83 | 1.3 | 1.35 | 3.73 | 2.12 | 0.257 |
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Cp | 0.752 | 2.77 | - | 0.818 | 0.659 | 2.07 | 0.778 | 1.17 | 0.463 | 2.31 | 0.916 | 1.6 |
駆逐艦
器用貧乏。近接コルベをメタれるガンシップ、ミサイルコルベをメタれるピケットシップ、星系基地に有効なL兵装を初めて運用できるアーティラリと、巡洋艦が出る前の序盤ならコルベに対する強力なメタとして機能しうる多彩な設計を持つのだが、諸々の要因によって終盤環境での立場は厳しくなっている。艦隊速度バグ*25が修正されたのでようやく日の当たる場所に来れるかと思いきや……
Da級
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Da | 0.793 | 0.664 | 1.22 | - | 2.37 | 4.8 | 0.743 | 1.68 | 1.03 | 0.721 | 1.17 | 2.38 |
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Dg | 1.18 | 0.752 | 1.52 | 0.422 | - | 2.48 | 0.292 | 0.429 | 0.342 | 0.203 | 0.32 | 0.49 |
こんなことになってしまったのは、前哨CPU×Sスロガン積みの追尾マシマシ構成が、終盤環境においては、コルベット相手にはオーバースペックになってしまっているのが大きい。終盤になるとコルベット側は回避が90%の上限に達する一方で、対コルベット側はCPUその他で命中・追尾を盛る方法が増えていくので、戦列CPU×Mスロの追尾それなりHb級構成でも十分コルベットに対応できてしまうのだ。後は耐久とDPSの差がものを言う。命中・追尾が全体的に高い環境なせいで駆逐艦の50%強の回避ではXL・L兵装を避けきれず、敵艦が射程内に入る前に損害を出しがちなせいで対大型艦の戦績も悪い。まあ、序盤なら使いどころはあるんじゃないですか。
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Dp | 0.416 | 1.85 | 0.484 | 0.208 | 0.403 | - | 0.107 | 0.403 | 0.128 | 0.03 | 0.103 | 0.187 |
Bc級の航空攻撃もほぼ封殺できる高い防空能力を持つのだが、肝心の対艦火力が貧弱なので封殺できたところで普通に収束アーク投射器にぼこぼこ落とされる。実際的な運用においては火力発揮には期待せず艦隊防空役に専念してもらうことになるのだろうが、防空だけ考えるなら射程30の対空砲よりも艦載機の方がいい。空母が出る前のつなぎとして使うにしても、対空も対艦もそれなりにこなせるCp級という高い壁が立っている。サイズあたりのPスロット数では唯一Dp級が勝っているが、Dp級にはサイズあたりの武器枠が少ないという致命的な欠陥があるので、多少防空枠に割くサイズが多くなるとしてもCp級を積んだ方が総合的なパフォーマンスは高くなるだろう。ミサイル相手の壁役としての耐久性能も回避が高いコルベットの方が優れていることだし。どうしても駆逐艦に対空をさせたいのなら、大人しくピケットシップ・ボウを捨てるのが賢明か。開発さんちゃんとテストした?
巡洋艦
器用貧乏2号。耐久は優秀なのだが、回避が低いのが厳しい。XLL戦艦の火力の前では多少の耐久は誤差にすぎないので。とはいえ戦艦の下位互換なのかというと別にそんなことは無い。戦艦より優位な点は耐久以外にも諸々あるが、一番大きいのは追尾を大幅に強化できる前哨CPUを積める最大の艦種であることだろう。Lスロ特化が出来ないので回避を考慮しないDPSでは戦艦に一歩劣るが、格下を狩るには優秀なオプションが揃っている。低火力の小型艦相手なら優秀な耐久もちゃんと機能するので、コルベット・駆逐艦を駆逐する直衛艦的ロールへの適性はとても高い。
Ha級
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ha | 0.816 | 0.547 | 1.29 | 1.35 | 3.43 | 9.38 | - | 3.35 | 2.17 | 0.533 | 1.87 | 2.37 |
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Hm | 1.94 | 0.77 | 0.853 | 0.596 | 2.33 | 2.48 | 0.298 | - | 0.522 | 0.133 | 0.407 | 0.0867 |
同じくミサイル艦のCm級が優秀な大型艦ハンターになっているのはコルベットの(実質的な)高耐久が有ってこそであり、XL・L兵装が刺さりまくる巡洋艦で同じことをしようとするとダメージレースで競り負ける。そもそも巡洋艦はLスロを積めるのだから、低回避の大型艦を狩りたいならそっちを持って来た方が効率がいい。
多数のSスロ×前哨CPUが刺さったのと、素の耐久に恵まれているおかげでミサイルがあまり有効でないコルベット・駆逐艦相手にも結果的に優秀な戦績を収めているが、対小型艦性能はHb級の方が全体的に上。というか対大型艦性能でさえHb級が上。シールド貫通能力が必要なとき*27なら持ち出す価値はあるかもしれないが、サイズあたりのGスロ数ならCm級が勝っている。
ミサイル巡洋艦にはロマンがあると思う。
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Hb | 1.756 | 0.74 | 2.16 | 0.975 | 2.93 | 7.79 | 0.462 | 1.92 | - | 0.233 | 0.663 | 0.61 |
戦艦
高火力低追尾低回避。耐久面では巡洋艦に一歩劣るのだが、XL兵装を積めるのも、L兵装を最も効率よく運用できるのも戦艦だけ*28なので、砲撃戦でのダメージレースには巡洋艦より圧倒的に強い。反面、追尾に補正が乗らない戦列以上のCPUしか搭載できず、M・Sスロを効率よく乗せることもできないので、戦艦でコルベットに効率的に対処するのは難しい。
Bs級
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Bs | 0.382 | 0.268 | 0.433 | 1.39 | 4.92 | 33.3 | 1.88 | 7.5 | 4.29 | - | 6.67 | 4.11 |
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Bb | 0.72 | 0.473 | 1.09 | 0.856 | 3.125 | 9.68 | 0.535 | 2.46 | 1.51 | 0.15 | - | 0.663 |
Ci | Cm | Cp | Da | Dg | Dp | Ha | Hm | Hb | Bs | Bb | Bc | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Bc | 0.573 | 3.9 | 0.623 | 0.42 | 2.04 | 5.36 | 0.422 | 11.4 | 1.64 | 0.243 | 1.51 | - |
環境評価
Stellarisの相性関係は複雑だが、可能な限り少ない要因のみを取り上げてこれを説明することを試みたい。
火力主義原則
Dp | Dg | Hm | Hb | Bb | Bc | Da | Ha | Bs | 総攻撃力 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Dp | - | 0.403 | 0.403 | 0.128 | 0.103 | 0.187 | 0.208 | 0.107 | 0.03 | 4031 |
Dg | 2.48 | - | 0.429 | 0.342 | 0.32 | 0.49 | 0.422 | 0.292 | 0.203 | 5009 |
Hm | 2.48 | 2.33 | - | 0.522 | 0.407 | 0.0867 | 0.596 | 0.298 | 0.133 | 3590 |
Hb | 7.79 | 2.93 | 1.92 | - | 0.663 | 0.61 | 0.975 | 0.462 | 0.233 | 5763 |
Bb | 9.68 | 3.125 | 2.46 | 1.51 | - | 0.663 | 0.856 | 0.535 | 0.15 | 6841 |
Bc | 5.36 | 2.04 | 11.4 | 1.64 | 1.51 | - | 0.42 | 0.422 | 0.243 | 6533 |
Da | 4.8 | 2.37 | 1.68 | 1.03 | 1.17 | 2.38 | - | 0.743 | 0.721 | 7242 |
Ha | 9.38 | 3.43 | 3.35 | 2.17 | 1.87 | 2.37 | 1.35 | - | 0.533 | 7192 |
Bs | 33.3 | 4.92 | 7.5 | 4.29 | 6.67 | 4.11 | 1.39 | 1.88 | - | 9771 |
火力主義原則を成り立たせている要因として、終盤環境における全体的な命中率*33の高さと、火力と射程の間にある相関関係が考えられる。
艦隊戦での実DPSの期待値は、ざっくり言えば、火力×命中率になる。XL兵装さえ駆逐艦にどんどん当たる*34、全体的に命中率が高い終盤環境においてはではこの式の命中率が高い水準で安定するので、火力が艦級間の優劣の支配的要因になるのだ。艦種間の耐久差や回避の影響も明らかに存在しているが、火力に比べてその重要性は低い。
射程差による影響も無視できない。説明するまでも無いことだが、射程で敵に勝っている艦隊は、敵艦の射程内に入るまでの間一方的に射撃できる*35ので、有利な状況からダメージレースを始めることができる。特にこれは、艦の速力が低くて間合いが詰められにくいところにDPSと単発火力の大きさが重なる、大型艦同士の戦闘で大きな影響を及ぼしやすい。そしてこれも言うまでもないことだが、射程の長い武器とはつまることろスロット枠消費の大きいXL・L兵装*36であり、火力に優れた武器でもある。であるからして、火力主義原則は実質的に巨砲主義原則でもあり、XL・L兵装の巨砲を一番効率的に詰め込めるのは戦艦であるので、大艦巨砲主義原則でもある。
この原則は上表からも分かる通り非常に強力で支配的なものだが、全ての場合について成り立つわけではない。火力主義原則が成り立たない二つの例外を見て行こう。
コルベットの特異性
火力主義原則には唯一にして明確な例外が存在する。コルベットだ。上限の90%にまで達するコルベットの高い回避率はXL武装の命中率を一桁台まで押し下げ、よしんばタキオンランスが命中したとしても艦隊の1/240"しか"削れない。こうなれば、もはや火力は艦隊戦の支配的な要因ではなくなる──依然として重要ではあるにしても。コルベットの高い速力も射程差の影響を抑えることに貢献する。*37火力一辺倒ではコルベット・スウォーム戦術を止めることは出来ないのだ。
では何なら止められるのかというと単純で、実DPSがおおむね火力×命中率で決まる法則性自体は変わっていないのだから、命中率を出せる装備を用いればいい。特に重要なのが追尾を稼ぐことだ。*38だが、大きく追尾を上昇させる方法は前哨CPUの採用かS・Mスロ兵装の採用以外になく、どちらも火力に大きな悪影響を及ぼす。つまり、火力主義原則で重要になって来る火力と、対コルベットに必要になる追尾を両立することは出来ないのだ。而して、コルベットのメタたりうる直衛艦は大型砲艦にカモられることになる。ここに大型砲艦<コルベット<直衛艦<大型砲艦の三すくみ関係が成立する。
ただこの三すくみはじゃんけんほど明確なものでもない。コルベットとそれ以外の違いが明確なのに対して、大型砲艦と直衛艦の境界は曖昧である。回避は艦種によってほぼ決まり、コルベットのみが有効な数字を出せるのに対して、火力と追尾はある程度柔軟に設計できる武装とCPUの影響を強く受けるからだ。少なくとも、大型砲艦として一番有力なのはBs級、もといXLL戦艦、直衛艦として最も有効なのほHb級だというのは確かだろう。CPUを変える余地はあるかもしれないが。
ミサイル・メタ
単純なダメージレースである程度説明できる上記の要因とは別に、ミサイルと防空艦の間にある小規模なメタも存在する。理屈としても数字としても明確に、ミサイル艦、というかCm級は防空艦にダメージをほとんど通せないので、圧殺されている。ただ防空装備は基本的に火力が貧弱なので、防空艦は防空装備を搭載していない通常の艦艇に不利をとりやすい。なので、ミサイル<防空<通常<ミサイル……の三すくみ関係が存在していると言えないこともないのだが、ミサイル<防空の優劣以外は、全く無意味とまでは言えないが、そこまで支配的なものでもない。そもそもミサイルは小型艦に有効でないので、ミサイル艦のCm級は通常艦のCi級に遅れを取るし、対大型艦性能もM兵装以上L兵装以下程度でしかないので*39、Hm級に至っては対大型艦性能でさえ同格のHa級に遅れを取る有様である。ミサイルは大型砲を積めないコルベットが唯一運用できる高火力武装という点に価値があるのであって、それ以外に有力な選択肢が存在する巡洋艦でミサイルを運用する意味はあまりなさそうだ。
結論
- 基本的には、デカい砲を積んだ方が勝つ
- XL・L兵装を一番効率的に詰め込めるのが戦艦なので、XLL戦艦が無双している
- 高い回避率を持つコルベットだけが例外たりうる
- 対コルベット性能≒高追尾と火力は両立できないので、三すくみの関係が形成される
- それとは別にミサイルコルベを中心とした小規模な三すくみがある
- XLL戦艦は確かに強かったが、ちゃんとカウンターユニットは存在するし、カウンターユニットのカウンターユニットも存在する。バランスは非対称*40だが、メタゲームが崩壊しているとまでは言えない。
でも一部の艦船設計は存在意義が危ぶまれるレベルで弱い
課題
繰り返しになるが、今回の検証はあくまで終盤の環境のみを想定し、コルベット~戦艦の4艦種のみを用いた限定的な状況で行ったものである。タイタン・ジャガーノートなどの各種オーラやメナス艦も含めて検証すれば、相性関係はより複雑になるだろう。序盤や中盤、あるいは繰り返し研究を盛りまくった極終盤環境を想定して同様の検証を行うだけでも、また違った結果が出ることは想像に難くない。ただ、火力×命中率でのざっくりしたDPS期待値算出と、そこからのダメージレースを中核に据えた単純なモデルだけでも十分に相性関係を説明できることは、意義深い結果だと考える次第である。
それとは別に、本稿で用いた損害比率の指標としての問題もある。検証で得られた損害比率はあくまで両艦隊のサイズを240に揃えた時の損害の指標でしかない。射程差や武器の相性などが絡むStellarisの艦隊戦闘はランチェスター二次法則のような単純なモデルでは近似できないので、艦隊間のサイズ比を変えた場合や、全体的な艦隊サイズを大きくしたときなど、条件が変わった場合の損害比率の振る舞いは今回の検証結果とは違うものになるだろうし、予測するのも難しい。損害比率が持っている情報量自体も損害の比率以上のものではないので、平均の戦闘継続時間*41や、亜光速移動速度の差など、損害以外の戦略上重要な要素を評価に含めることが出来ていない。艦級の能力以外にも、複数の艦級を混成した艦隊が有効か否か、レーンアウト直後を襲撃して射程差を帳消しにするガン待ち戦術がどれくらい勝敗に影響するかなど、検証に値する要素はまだまだある。あるのだがが、そこまで考慮するとなるとpre-FTL種族の有機頭脳には複雑すぎ、勘以外のものを根拠とすることができなくなるので、このへんにしておく。
*1:小説『宇宙戦争』より、イギリス海軍の水雷衝角艦HMSサンダー・チャイルドが火星人の戦闘兵器に体当たり攻撃を試みるシーンの絵。
*2:ここでは、スピナルマウント・ボウ、アーティラリ・コア、アーティラリ・スタンで構成された戦艦を指す。
*3:後述の通り「無撤退」が有効な状態で検証を行ったが、それでもごくまれに戦闘離脱は発生した。そのような戦闘は無効とみなし、片方が一隻も離脱することなく真に全滅した戦闘の損害のみを集計している。
*4:失われた艦船の艦隊許容量の比率であって、失われた隻数の比率ではない。例えばコルベットと戦艦が30隻ずつ撃沈された場合、コルベットから見た対戦艦損害比率は8になる。
*5:無撤退ドクトリンは 1.軍国主義志向 2.ゲシュタルト意識 3.狂信浄化国是 のいずれかを満たしていなければ採用できない限定的な政策ではあるが、プレイヤーなら派閥の推奨などで終盤までに容易に条件を満たせること、単純に強力であるので私がよく採用すること、毎回艦隊が確実に全滅してくれないと損害比率の扱いが面倒になることを主な理由として採用している。無撤退が無い場合は小型艦が相対的に弱体化しそうに思えるが、 1.小型艦は戦闘離脱しやすいので数的不利に陥りやすく、戦術的に弱体化する 2.小型艦は戦闘離脱しやすいので損害を出しにくく、損害比率は向上する 3.連射レートが全体的に落ちるので、大型艦が射程差によって作り出す初動の数的優位が若干減衰する、等の正負さまざまな要因によって影響されるので、小型艦-大型艦間の損害比率がどのように変化するのかは簡単には推測できない。具体的な検証は後の検証者に任せたい。
*6:「司令マトリクス」、「改良型~船体」「発展型~船体」系など。
*7:リーダーとは別に艦船単位の経験値蓄積があり、最高ランクの「精鋭」まで到達すれば武器ダメージ+40%、船体値+10%、回避+10%のぶっ飛んだ補正が得られるのだけれど、知らないプレイヤーも多そうだ。まれに、交戦によって艦隊が消耗したのに艦隊戦力が増加していることがあるのはだいたいコレかリーダーのレベルアップのせい。一段階目の「熟練」(武器ダメージ+10%)でも恩恵は大きく、造船所に艦隊養成所を据え付けるだけで容易に到達できるので狙う価値はある。
*8:伝統は「覇道」「拡張」「適応」「支配」「調和」「繁栄」「発見」をコンプリート、アセンションパークは「恒星間の支配権」「一つのビジョン」「活発な行政」「超越的学習」「銀河規模の戦力投射」「技術的卓越」「惑星の加工者」「解析不能の工学技術」を取得。
*9:「好戦的」を持っていない。
*10:このことはメタに少なくない影響を及ぼしていると考えられる。もし仮に数十回の繰り返し研究を行っていたら、繰り返し研究で強化できない船体を狙い撃てるディスラプター系、一度の繰り返し研究で10%ずつ火力・レートを強化できる艦載機系は相対的に優位に立つだろう。ただ、ミサイル・艦載機の耐久は繰り返し研究で強化できないので、対空砲の迎撃能力も増すことになる。
*11:ヌルヴォイド光線砲、結晶装甲系、PSIジャンプドライブ、未来予知型インターフェースなど。没落帝国産のダークマター系装備も用いない。
*12:日本語化、UI改善、艦隊許容量9999化など。
*13:シールドにダメージボーナスが乗る実体弾系武装はシールドが残っている敵を、装甲にダメージボーナスが乗るエネルギー系武装は装甲が剥き出しの敵を優先して狙う傾向がある。そのため、シールド>装甲>船体の順でダメージが入る都合上、実体弾特化艦よりもエネルギー特化艦の方が損傷している敵艦に攻撃を集中させやすく、優位に戦闘を進めることが多い。それとは別に、命中・追尾・クールダウン・ダメージなどの各種ステータスも若干異なる。
*14:例えばコルベット-インターセプターにはS*3しか武装枠がないので、設計が一種類しかないと実体弾かエネルギーに偏ってしまう。
*15:Damage Per Secondの略。日単位で進行するRTSのStellarisではDamage Per Dayとでも表記した方が良いのかもしれないが、ここでは「時間あたり火力」くらいのフワッとしたニュアンスで用いる。通じるだろうし。
*16:開幕砲撃戦での殲滅力はそのまま優位性に直結するため、長距離砲にとって単発火力はかなり重要なファクターだ。
*17:どのような設計をとるにせよ、艦船には基本的にサイズ×3に相当する分の武器スロット枠が供給される。ただし、S、Pスロットは1枠、M、Gスロットは2枠、L、Hスロットは4枠、XLスロットは8枠に相当する。例えば戦艦なら8×3で24枠相当の武器を搭載できるはずで、実際にXLL戦艦はXL×1、L×4で24枠相当になっている。このルールの唯一の例外がピケットシップ・ボウ+ピケットシップ・スタンの対空特化駆逐艦で、駆逐艦は本来2×3=6枠ぶんの武器を搭載できるのだが(実際Da級、Dg級はそうなっている)、対空駆逐艦だけは何故かP×3、S×2の5枠ぶんしか武器が割り当てられておらず、効率が悪い。これはピケットシップ・ボウに3枠ぶんの武装しかないのが悪いので、検証でこそ対空特化のためにピケットシップ・ボウを採用しているが、実用上はアーティラリ・ボウかガンシップ・ボウに換装した方が良いだろう。それでもPは2枠残るので、艦隊許容量あたりの対空砲数なら対空コルベに遅れは取らない。
*18:ミサイルは額面上は射程100だが、射撃から着弾までのタイムラグや迎撃を受ける可能性を考えると、なるべく敵艦に接近して撃った方がよいと言える。
*19:とはいえ、実際には目標距離より多少進んだところで停止することが多いのでさほど問題はない。どうせS2枠しかないし、誤差だよ誤差!
*20:当初はH3空母特化構成も検証に参加させていたのだが、仮想敵であるコルベット相手にも航空戦艦に劣るキルレシオしか出せなかったので早々に検証から退場した。火力役を別に用意し、艦隊防空に専任させるなら役割は持てるかもしれないが……20隻の空母特化艦と10隻のXLL戦艦で混成部隊を組むよりも、30隻の航空戦艦を揃えた方がXL兵装の本数が多いぶん総合的なパフォーマンスは高くなりそうな。
*21:Kで省略しないとこのくらいの数字になる。
*22:隻数×(シールド+装甲+船体)。
*23:圧倒、優越、同等、劣等、悲惨のあれ。
*24:「当たらなければどうということはない」のは勿論、コルベットは耐久が低く、XL兵装の単発火力だとオーバーキルになるので、額面通りのDPSを発揮できなくなる。
*25:艦隊の移動速度は現バージョンでは「一番遅い艦の移動速度」に他の艦が合わせる形で決定されるが、少し前までは艦隊の移動速度が「艦隊の一番先頭に配置された艦」になるバグがあった。戦艦隊に一隻のコルベットを混ぜれば、全艦がコルベットの速度で動き出したのである(これはあくまで艦隊として移動するときの話で、戦闘が始まれば個々の速度が読み込まれ、戦艦はちゃんと鈍足になる)。で、この先頭配置の優先順位が曲者で、駆逐>コルベ>巡洋>戦艦だったのだ。が、移動速度は言うまでもなくコルベ>駆逐>巡洋>戦艦なので、艦隊に駆逐が混ざっているとせっかくコルベを入れても艦隊の移動速度は駆逐に合わされてしまい、若干遅くなってしまう。わざわざそのデメリットを受け入れてまで編成に入れるに足る価値が駆逐艦に有ったのかは、当時を知るプレイヤー諸君に評価を委ねたい。
*26:Da級は前哨CPU、Ha級は戦列CPUなので低回避の大型艦相手なら若干Ha級の方が高いDPSを出せる。
*27:例えば危機「招かれざるもの」はシールド特化艦を運用するので、ミサイルとディスラプターが刺さる。相手はL・Mスロ相当の低追尾武装で固めているのでCm級はもっと有効だし、XLL戦艦で砲撃CPU×(ギガキャノン+大型実体弾砲)を並べて射程差で殴るのはもっともっと有効だが。
*28:Lスロ統一設計が出来るのは戦艦だけである。
*29:Bc級は空母CPUの性質のために散開して布陣するので、コルベットが塊になって突撃してくると副砲射程内に敵を収められない艦が出て来る。
*30:ある艦級Aが艦級Bに有利(A>B)で、BがCに有利(B>C)のとき、必ずAはCに有利(A>C)になっている。このような順序関係が成立するとき、三すくみ的なバランスの取れた相性関係は成立しえない。実際、上表の範囲内ではBs級は文字通りの意味で無敵である。
*31:ここでは直接の有利不利のみを、すなわち2艦級の間の損害比率が1より大きいか否かのみを問題としているので、特定の状況下で、上列に位置する艦級が下列に位置する艦級よりも優れたパフォーマンスを発揮することを否定するものではない。例えばDa級はHa級と直接殴り合うと負けるが、対Bs級損害比率はHa級よりか幾分良好である。
*32:攻撃力の大小と順序関係が一致しないところも多々あるが、攻撃力はあくまでDPSの目安なので、射程差や耐久差、わずかながら存在する駆逐艦の回避、シールド貫通能力を持つミサイルの額面上のDPSと実質的なDPSの差などの影響で、攻撃力の大小が火力主義原則における戦闘力の順序関係と完全には一致しなくなっていると考えられる。ただ、大域的には攻撃力の大小が順序関係と一致していることは明らかであろう。
*33:今更だが、本稿では、放たれた攻撃が敵艦に命中する確率という文字通りの意味での「命中率」と、武装のステータスである「命中」を区別していることに注意。
*34:実際のところ、駆逐艦に対するXL兵装の命中率は45~50%程度なのだが、素の火力が高いXL兵装はそれでも充分有効なDPSを叩き出せる。
*35:意外に思われるかもしれないが、射程外からの攻撃のみで艦隊が殲滅された事例は今回の検証では存在しなかった。数倍の差があればともかく、数量において互角ならばDp級でも一応Bs級の懐に潜り込むまではできるのである。
*36:ミサイルも艦載機も額面上の射程は長いが、母艦を出てから敵艦に接近してダメージが発生するまでの間に長いタイムラグがあるので、射程差によって敵を一方的に削る、といった芸当は難しい。ちなみに、実体弾・エネルギー系の射撃系武装のダメージは、グラフィック上の弾速に関わらず全て射撃の瞬間に即着弾・ダメージ判定されている。艦隊戦を観察すると、結構な頻度で既に沈んでいる艦に死体撃ち砲撃が飛んでいくのはこのため。
*37:完全に無力化できるわけではない。実際、コルベットvsXLL戦艦のマッチでは、最初にコルベットが20隻前後削れるものの格闘戦が始まってからはゴリゴリコルベットが盛り返していく、という展開がほとんどだった。
*38:命中率は"命中-max(0,回避-追尾)"で決定される。なので、攻撃目標の回避率を越えない限りはm命中率の命中微分も追尾微分も同じになる≒命中を1上げるのと追尾を1上げるのとで、期待値の上昇量は変わらないのだが、各種CPUやコンポーネントを活用しても命中だけで盛れる量には限りが有るので、追尾も稼ぐ必要がある。
*39:繰り返しになるが、装甲魚雷系は一切検証に用いていない。
*40:各艦種の損害比率の対数の平均を取って、Bs級のそれと比べてごらん。