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ソードワールド2.5の熟練戦闘ルールではキャラクターが二次元的に機動できるようになり、戦術の幅が広がってとても楽しそう……なのだが、ルールにはいくつか問題があると思っていて、いろいろと大変そうでもある。そこで二次元戦闘をより面白く/より簡単に行うためのハウスルールとして、ヘックス戦闘ルールを提案する。
必ずしも読む必要のない序論
このルールの設計上の目的は主に3つ。
- 「乱戦エリア」ルールを廃止し、もっとよいもので代替
- 乱戦エリアは、前衛ユニット位置の管理というともすれば滅茶苦茶煩雑になるプロセスの処理と、移動妨害と遮蔽のような後衛を後衛たらしめることを可能にする機能1の導入を大胆かつ恐ろしく簡潔な形で実現している画期的なルールだ
- が、問題がある
- 火力集中の用意さ
- 基本的にどのユニットも乱戦エリア内の任意のユニットを殴れるので、火力の集中が容易になり、GMが「ちゃんと」エネミーを動かすなら特定のPCを狙い撃ちして一人ずつ落としていくのが最適解になってしまって、体験としてしょうもない
- これは熟練戦闘の問題というよりもSW2.5の戦闘全体を貫いている設計レベルの話だが、かねてから問題視していたので、この機会についでに解決する
- 戦術の単純さ
- 前衛は基本的に全員が一つの「乱戦エリア」に突っ込まれ、みんな同じ座標を共有することになる。これではせっかく二次元のマップを用意しても、採れる戦術/機動/陣形の幅が基本/上級戦闘とあまり変わらない
- 例えば「重装のタンク前衛を一番殴られやすい位置において、比較的軽装のDPS前衛は脇からちょっかいを出させる」みたいなことが可能であるべきだ
- 乱戦エリアの処理自体がある程度煩雑
- 人数が増えたら半径が大きくなるとか、複数の乱戦エリアが合体する場合があるとか、非直感的で覚えにくい処理が多い。GMがエピックトレジャリーを全暗記して完璧で幸福な裁定マシンと化すことはもちろん一つの解法かもしれないが、PL全員がルールを理解しているに越したことはないだろう
- 火力集中の用意さ
- 乱戦エリアが果たしている「ユニット位置の管理の簡単さ」「ZoC」「遮蔽」という機能を捨てることなく、これらの問題を解決するルールを導入したい
- オンセツール(というか、ココフォリア)上で解決できる、マス目ベースの位置管理手法の導入
- 熟練戦闘では基本的にユニットの位置を二次元平面上の座標で管理することになる
- が、紙の上にコマや定規を置けばそれで解決できるオフセとは違って、各ユニットの現在地を厳密に管理したり、ユニット同士の距離を厳密に測るなどといった操作は、ココフォリアでは難しい
- そのためだけの定規コマなどを用意すれば無理くり解決できないこともないが、できればマス目を張ってやって、誰の目にも一目でわかり、かつエラーの発生しようのない形で管理したい
- 熟練戦闘では基本的にユニットの位置を二次元平面上の座標で管理することになる
- マップの量産性の確保
- マップが簡単に作れて、かつ多様な体験を提供できる(橋のような隘路での防戦とか、あるいは背水の陣とかいったような)だけの拡張性を有した戦闘ルールにしたい
では、具体的にどうするのか?
ヘックスの導入
このような、六角形のマスであるヘックス2をゲームに導入する。全てのユニットはこのマス目の上で戦闘を行うことになる。
機動
距離をマス単位に
原則として、マスとマスの間の間隔を3m3として距離を計算する。端数は四捨五入。また、射程: 接触の及ぶ範囲は1マスとする。つまり制限移動で動けるのは1マスであり、近接攻撃が届くのも周囲1マスになる。
1マス1ユニット
PCについても、エネミーについても、自陣営のターン終了時に同じマスに複数のユニットが存在していてはならない(騎獣と騎手や、積載状態のユニット、複数部位を持つ魔物など、明らかに同じマスに存在しないと不自然なものは除く)。4
注意点として、個々のユニットの手番終了時ではなく陣営のターン終了時に重複していなければよい。一時的に同じマスに複数のユニットが存在する分には問題がない。つまり、他のユニットをすり抜けて移動してもいいし、いったんAがBのいるマスに動いて同じマスに同居し、そのあとでBがAのいたマスに動く形で居場所を交換するように動いてもいい。
例外処理: 多部位魔物
多部位を持つ魔物5については、前述するように1体の魔物の全部位を1つのマスに押し込んでもいいが、複数の隣接するマスにあらかじめ部位を分配する形で1体の多部位魔物が複数のマスを利用してもよい。具体的にどのような形で部位を分配するかはGMが適当に決定できるものとする!
この場合、後述の移動妨害や遮蔽などは、それぞれのマスに存在している部位を独立したユニットとみなして適用する(例えばドラゴンの翼に遮られて頭を撃てない、といったことがありうる)。もちろん、そのマスに属する全ての部位が破壊されたらば、移動妨害・遮蔽の機能は喪失するし、1マス1ユニット制限の対象でもなくなる(壊してさえしまえば、さっきまで敵の翼があったマスに味方の前衛を配置できる)。
ただし、隣接させた部位マスの連なりの中央が破壊されるなどして、同じ魔物に属するはずのマス同士の隣接が途切れてしまった場合は、敵の手番だろうとなんだろうと処理に割り込む形で、部位同士の隣接を回復するための必要最小限のユニットの移動を行ってよいものとする。
移動妨害
全てのユニットは、自分の周囲1マスを通過する移動中のユニットに対して移動妨害を行うことができる。移動妨害を行われたユニットはそこで停止する。形状: 突破の効果の行使など、乱戦エリアからでは発動できない処理を行うこともできなくなる。
ただし、移動妨害を受けても1ラウンドにのべ1マスまでなら移動できる(移動の開始地点で妨害された場合でも1マスだけは動ける。既に1マス以上動いた後に妨害されたらそこで止まる)。6この場合の1マス移動は通常移動とみなす。7
1体のユニットが1ラウンドに行える移動妨害の回数に制限はない。
《影走り》、透明などの効果によってこの移動妨害は無視できる。
火力
遮蔽
まず、あるマスからマスへの射線をこのように定める。これは移動経路とは別の話。
- 発射線・斜め線・着弾線からなるZ字型の線
- マスをずらさない完全な直線で結べる場合や、距離が2マスでこのように結べない場合8については仕方ないので例外
- 発射と着弾の方向が同じでなければならない
- 発射線と着弾線はおおむね同じ長さでなければならない
- 移動するマス数によっては完全に同じ長さには出来ない。その辺はノリと手心で
- 斜め線がなるべく短くなるように書く9
さて、射線が定まった。10本題である遮蔽の話に移ろう。
敵性ユニットが存在しているマスと、その周囲1マスが遮蔽11として機能する。上述の射線の通るマスのうち、始点・終点以外の途中のマスが遮蔽によって遮られるか、あるいは大体なんとなく遮られているっぽい感じなら、本来狙いたい目標が遮蔽のユニットに遮られ、遮蔽している側のユニットしか見えていないものとして扱う。なお、味方ユニットが自分の射線を遮蔽しないのはSW2.5の元ルール通りだが、改めて明記しておく。
また、自分から2マス以内の距離にいるユニットが作り出す遮蔽は完全に無視することができる。12
また、図のように、複数のユニットがお互いにお互いへの射線を遮蔽できる位置関係にある場合は、双方が射手から直接見えているものとして扱う。
なお、地形として存在する壁、岩、その他の遮蔽物マスは、それの存在するマスのみを遮蔽として扱うものとする。隣接していても無視出来たりはしない(そうすると壁の裏から一方的に撃ててしまう)。
例外的事象として: 上述の射線の定義では取りうる射線の可能性が1パターンに固定されない場合がいくつかある。そのような場合、複数の射線の可能性のうちで1本でも射線が通るものがあれば、射線は通っている、つまり遮蔽が成立していないものとして扱う。
形状: 貫通/突破
形状: 貫通/突破については、以下の条件を満たす限り、好きなように攻撃の経路を設定してよいものとする。
- 貫通なら射程限界ちょうどまで飛ぶ、などの基本的なルールを満たす(あたりまえ)
- 最大2回まで60度ずつ折れ曲がっていい
- ただし、折れる方向はそれぞれ別に
実際の攻撃範囲は、上のルールに従って決めた経路から1マス拡張した範囲13とする。
なお、この経路は自分の視界/遮蔽の状況によらず好きに決定してよいが、貫通/突破攻撃で確実な攻撃対象にできる目標は、攻撃発起地点から視認できている必要がある。
誤射
《ターゲッティング》未習得14のユニットがガンなどによる遠隔攻撃や形状: 射撃の魔法を行使する場合、本来の目標に加えて、その目標に隣接している味方ユニットからランダムに相手を選ばなくてはならない。言い換えれば、味方ユニットが隣接していない敵を射撃するときには誤射は発生しない。
総括: 目標の評価
乱戦エリアの代替
おおむね出来たと言ってよいと思うが、いくぶんかの不満は残る。
機能の代替
移動妨害・遮蔽の機能は実装した。前衛が後衛を突撃からも弾丸からも守る普通の戦場を展開できるだろう。各ユニットの現在位置についても、マス目上に配置するというこれ以上なくわかりやすい形で視覚的に管理できるようになっているので、おおむね問題ないと思われる。
火力集中対策
前衛については1マス1ユニット原則でユニットを散開させることで、後衛については遮蔽のルールによって「特定のユニットが殴れるユニット」が戦場の一部のユニットとなるように留め、かつその対象がユニットごとに各々(ある程度は)異なるようにもなっているはずなので、完全に火力集中を排除できたわけではないにせよ、ある程度は緩和できたものだと考える。
移動妨害を受けながらでも1マスずつは動けることだし、ユニットの位置関係を交換するなどすればターンをまたいだ時間スケールでのダメコンも可能だ(ターンをまたがない時間スケールでのダメコンをシステム側で可能にするとさすがに《かばう》などが腐ってしまうので、ルールとして実装するのはこのくらいが限度なはず)。
しかし厄介なのは後衛の火力の制御で、遮蔽のルールがあるとはいえ近いマスに後衛を固めて配置すれば同じ相手をみんなで撃つのはそう難しくない。これを解消する手段として、後衛の射撃系攻撃にある程度の狙いのランダム性を持たせる(命中の達成値が回避側より+1か+2程度だったら確率で隣の敵ユニットに逸れるとか。しかし、命中判定のたびに追加で流れ弾相手決定用ダイスを振るのはダルすぎる)とか、後衛ユニットの射程を大きく減じてしまって火力集中を困難にするとか(例えば遠隔系攻撃の射程を全部2マスで固定してしまうファイアーエムブレム式なら、同一の目標を集中砲火するのはぐっと難しくなる)いったことも考えはしたのだが、いずれも断念した。ゲームバランスを大きく変えない、抜本的なシステムに手を入れない形での後衛火力分散はこれくらいが限度だと思う。
とはいえ、過度な火力の分散がユニット破壊の可能性の低下≒戦闘全体のペース鈍化に繋がる以上分散すればよいというものでもないし、現状程度の火力分散でもそこまで悪くも無いはずだと同時に思ってもいる。
戦術の幅
「前衛が一度乱戦エリアに突入してしまったら、敵を殲滅しない限りは基本的に移動できない」「乱戦エリア内の全ユニットは同じ場所にいるものとして扱われるので、『壁役重装歩兵が前衛の中でも更に一歩前に出て軽装必殺歩兵を守る』といった陣形の要素を全く採用できない」といった乱戦エリアの問題を解消し、ある程度前衛が取れる戦術に幅を持たせることができたはずだ。
特に遮蔽のルールはかなり気に入っていて、これがあれば前衛の中にも更に一歩前に出る最前衛と一歩引く中衛寄り前衛を設けることができる。それに、移動妨害もあくまで移動を1マスに制約するだけにとどまっているので、乱戦が始まった後に状況変化に応じて配置を変えることもある程度は可能であるはずだ。
また、こういった最前衛/中衛/後衛への分割は必然的に軍全体に「正面」の方向を、一番固い前衛を押し出して敵の攻撃を受け止める方向を作ることを要求するから、当然弱点を突く「側面攻撃」という戦術が誕生する余地を生む。主攻とは90度ずれた横方向から射撃してくる散兵が一人いるだけでも状況はかなりしんどくなることだろうよ!
処理の煩雑さ
射程・遮蔽・位置関係が各ユニットごとに異なるので、処理自体は熟練戦闘に比較しても煩雑さを増している可能性がある。PLごとに見える景色(あるいは、見るべき景色)が異なるので、ルールに慣れるまでは作戦会議もしづらいことだろう。まず誰が誰を殴れるか把握するのが結構難しいと思う。しかもそれがユニットごとに全て異なっている!
まあ、とはいってもある程度はルールを単純なものに収めることができたとも思っていて、熟練戦闘に比べれば比較的に少なく相対的に簡潔なテキスト量で理解しやすいルールを記述できたと自負してよいくらいのものになっているはずだ。ただ、遮蔽のところと巻き込みのところはゲームバランスのために直感的な理解のしやすさが犠牲になっている部分を認めざるを得ない。
しかしながら、複雑な戦術が発生する余地のあるウォーゲームを二次元平面のマップでやるならこのくらいの複雑性は不可避だろうと言い訳しておく。
ココフォリア上での運用可能性
やってみないと分からないところはあるが、そこまで低くも無い──少なくとも、原典の熟練戦闘ルールに比べれば。ただ遮蔽の管理はかなりダルそう。厳密性のあるルールにはなっているのでちゃんと考えれば答えは一意に定まるはずなのだが、パッと見て判断がつくような形にはなっていないので、一発撃つたびにどれがどれを遮蔽しているのか逐一PLにかみ砕いて説明するような困難が想定される。問題だと思う。
マップの量産性
極めて高いと思われる。限界まで妥協するなら線引いて六角形描いて適当に色塗って壁とか岩とか用意すればそれでまあ完成しますからね。ウォーワゴンで構築した陣地の中で防衛戦みたいな変なシチュエーションを実装するのも難しくはないはずだ。
結語
しかし、この文章は過度に逆接の接続詞を用いているように思う。
- 敵の移動を妨害する手段がなければ騎兵のような高機動前衛ユニットが敵後衛へと直接雪崩れ込むことが可能になるから、耐久を捨てて火力に振った砲兵的後衛ユニットは存在できなくなる。また、遮蔽がなければいきなり遠隔ユニットで後衛を直接叩くのが最適解になるので、やはり対砲兵戦に耐えられないレベルの生存性の低い後衛ユニットは存在できなくなる。なのでこういった機能がなければ、結果として戦場には重装歩兵と重装騎兵しか存在しなくなり、Mount & Blade 2.5が始まってしまうことだろう。「おもしろいTRPGがプレイできる」環境の多様性を作るためにはこのような機能が必要不可欠なのだ。↩
- マス目ベースでやる場合は実質的にヘックスとスクエアの二択だが、ヘックスなら横隊と横隊をぶつけたときに最大3体まで同じユニットを殴れるので限定的ながら火力を集中できる(≒SWの元のバランスに近い)、マス目ベースで距離を計算していくときにスクエアよりも視覚的な距離とマス目上の距離が近くなるといった利点があるので、こちらを採用した。↩
- 制限移動を1マスにするために3mとした。本来なら同じ座標に居る相手にしか機能しない射程: 接触を実質的に3mまで延長したのは後述の1マス1ユニットルールを導入するため。↩
- 同じマスに複数のユニットが詰め込めると火力集中が簡単になってしまうし、前衛は全員1マスに詰め込むのがほぼ最適解になるので戦場に「広がり」がなくなってしまうため、これを禁止する意図。↩
- このルールだと、同じマスに複数ぶんのユニットを詰め込める多部位魔物は火力集中がしやすいので相対的にかなり強化されることになる。高々3部位のドレイク程度なら問題ないだろうが、例えばヒドラなど、部位数がかなり大きくなる魔物は極めて厄介になるだろう。そのような場合に備えてGMが多部位魔物を弱体化させるための処理。あと、複数マスに渡る巨大な魔物ってかなり巨大感があるので演出としてもいいと思う。↩
- 移動妨害をされても1マスは移動できるものとした。これにより、負傷したユニットをいったん前線から下げることができるようにもなる(SW2.5にも乱戦エリアから離脱するための「離脱準備」というルールはあるのだが、これをするためには回避-4というバカみたいな修正を受けた状態で1ターン生き延びる必要があり、ビルド次第ではあれどあまり現実的ではない)。あるいは移動妨害を受けながらも1マスずつ突破してこようとする敵を阻止し続けるため、前衛がジリジリ引きずられていくシチュエーションもありうるだろう。これはこれで面白いものになると思う。ところで、このルールだと《ブロッキング》は完全に産廃になる。でもアレ取ってるやついる?↩
- 既に詰め切られた射撃ユニットが1マス移動でのらりくらりと逃げながら後ろに射線を通し続けることを防止するための措置。《ランアンドガン》ないし類似の効果があればこれでも射線を通せるが、そのころには後衛の側も何かしらの対抗手段を用意できているでしょう。↩
- ↩
- つまり、射手から見た目標の位置に応じて発射・着弾の方向は図のようになる↩
- この一見こんがらがっている射線の決定法は「AからBに射線が通っているとき、(遮蔽などの位置関係が同じなら)BからAにも射線が通るという対称性」「具体的にどのマスを通るのかはっきりと決定できる一意性」「なるべく例外処理の数を減らし、ほとんどすべてのマス同士の位置関係に対応できる汎用性(場合に応じて折れ曲がりの回数を増やすような解法は「具体的に何マス以上横にずれたら折れ曲がりの回数を増やすのか」という追加ルールの定義を要求するので、煩雑さを増す)」「具体的にどこを塞げば特定のユニットへの/ユニットからの射線を塞げるのかわかりやすい作戦会議への低負荷性」を満たすことを目標に設計された。厳密に理解しようと思うと飲み下すのに多少根性がいるかもしれないが、それがあれば、5~6マス程度の射撃なら多くの場合においておおむね愚直に直線を引くのと変わらず、10マス以上の長距離射撃についても、発射/着弾点の付近では「まっすぐ、特定の方向に沿って」飛ぶ線を抑えれば射線が塞げるし、そうでなくとも射手と目標の中間点あたりにいれば斜め線が大きく横切って行ってくれるので大体塞げるという、十分に直感的な結果が得られるような決定法であることが理解できると思う。↩
- ユニットが存在しているマスだけを遮蔽とする場合についても考えたが、その場合、図のような歯抜けの前線を作りづらくなり、陣形の自由度が少なくなってしまうだろう。また、周囲1マスと比較的広い範囲を遮蔽に指定することで、1マス引くだけでも味方ユニットの遮蔽に入ることが容易になるため、ターンをまたいだ対遠隔ダメコンが可能になるという戦術の幅も提供している。そのようなダメコンを機能停止させるため、複数の方向から射線を通すのも有効な戦術になるだろう。代償として処理がだいぶ非直感的になったので改善の余地はある。↩
- 乱戦エリアへの突入による遮蔽効果の消滅を再現するための処理。隣接しているユニットの遮蔽のみを無視するとすると、このように、前線の作られ方によって遮蔽が無視できる場合と無視できない場合が生じてしまい、かなり非直感的になるので、2マス以内とした。2列以上の分厚い横陣が組まれれば類似の問題は発生するが、まあ組まれないだろう。代償としてそもそも後衛の射程が全体的に短い低レベル帯での戦闘がかなりリスキーになったが……レベルデザインでなんとかしてほしい!↩
- 貫通/突破は本来幅2mの直線形状だが、それを愚直に採用すると、1マス1ユニットルールにより基本的にユニットが散開しているこのルールでは弱くなりすぎてしまう。なので、それを補うための処置。これを入れても結構しんどいと思うが。↩
- 乱戦エリアが無いので《ターゲッティング》周りの誤射の処理をこのような形で改めて実装した(実装しないと後衛がターゲッティングを習得する必要がなくなってしまい、特技枠が一枠浮くのでバランスが大きく変わってしまうだろう)。隣接する味方ユニットのみにランダムに攻撃がブレうる(このブレの対象に隣接する敵ユニットも含むとすると、これを悪用して敵の後ろに隠れている遮蔽の向こうの敵を攻撃するような動作が可能になってしまうので、しない)この処理だと、ターゲッティングが無い場合は乱戦エリア内から完全ランダムに目標を選ぶ原典よりも誤射しうる確率は高くなるだろうが、タゲ無しで最前線に射撃攻撃を撃つようなビルドは元々存在しないので大勢に影響はないはず。ないよね?↩